自己資本比率について

今回は、自己資本比率の基本ポイントについてまとめていきたいと思います。

本記事の要約
  • 自己資本比率とは、総資産における自己資本の割合を示す指標
  • 企業の安全性を判断する指標の1つとして重要視される
  • 一般的に高いほどよく30〜40%は確保すべきとされる
  • 高配当株投資の銘柄選びの基準としても重要になる(目安は50%以上)
この記事の目次

自己資本比率とは

自己資本比率とは、企業の総資本における自己資本(純資産)の割合を表す指標です。

自己資本とは、返済不要の資本のことであり、純資産とも言われます。

ちくわくん

逆に、返済する必要がある資本は「他人資本」と言います。

自己資本は資産から負債を引いて割り出せます。

自己資本や他人資本を示す貸借対照表のイラスト

自己資本比率の算出方法

自己資本比率の算出は非常に簡単で、以下の式で求められます。

自己資本比率(%)= 自己資本 ÷ 総資産 × 100

たとえば、自己資本10,000円で総資産が20,000円だった場合は、自己資本比率50%(10,000 ÷ 20,000 × 100)になります。

自己資本比率が重要な理由

自己資本比率はその会社の安全性を判断する材料になるため、重要になります。

基本的に、自己資本比率は高ければ高いほど財務が安定していると考えられ、破産もしにくく安全性が高いと言われます。

これは、自己資本比率が高いというのは、自己資本(純資産)が多い、つまり返す必要のないお金が資産の多くを占めていることを意味するためです。

逆に、自己資本比率が低い場合は、返す必要のあるお金が多く、それらの返済などができなくなり破産のリスクが高まります。

自己資本比率の目安

先ほども述べたように、自己資本比率は高ければ高いほど良いです。

ただ、一般的には30〜40%ほどは確保しておくと良いとされ、50%以上になる場合は良好と判断されます。

仮に自己資本比率100%の会社は、返済する必要のあるお金(資本)が全くないことを示し、その意味で非常に安全性が高いです。

自己資本比率を見る際の注意点

自己資本比率を見る際は以下の点に注意しておきましょう。

自己資本比率の注意点
  • 業界によって基準が様々
  • 長期的なトレンドを見る
  • 安全面は他の指標も確認する

それぞれ解説していきます。

業界によって基準が様々

先ほどの「自己資本比率の目安」では、自己資本比率は30%以上あることが望ましく、50%以上ある場合は優良であるとお伝えしました。

しかし、自己資本比率の水準は業界によってかなりばらつきがあります。

そのため、その業界水準と比べてどうなのか、またライバル他社と比べてどうなっているのかを見比べることが重要になります。

ちくわくん

これは、かなり高い(70〜80%など)時よりも、30%未満などの低い時にこそ大切になります。

業種別の自己資本比率の平均

令和5年 中小企業実態基本調査』では、業種別の自己資本比率は以下のようになっていますので、ご参考ください。

業種自己資本比率
建設業45.4%
製造業44.9%
情報通信業52.8%
運輸業、郵便業34%
卸売業40%
小売業34.5%
不動産業、物品貸借業35.5%
宿泊業・飲食サービス業15.9%
生活関連サービス32.8%
サービス業(ほかに分類されないもの)46.4%

長期的なトレンドを見る

単年度の自己資本比率だけではなく、過去10年など長期的な推移も見ることが重要です。

自己資本比率が年々改善している場合は、財務体質の強化が進んでいると判断できます。

一方、悪化している場合は、負債の増加や資本の減少が懸念されます。

たとえば、現状は同じ自己資本率50%だとしても、それが過去5年で増加してきている中でそうなっているのか、もしくは減少してきている中でそうなっているのかでは、同じ50%でも意味合いが異なってきます。

なので、そういった側面を理解するためにも、過去からの推移も確認するようにしましょう。

安全面は他の指標も確認する

自己資本比率は企業の安全性を見る上で有益ですが、この指標だけでは不十分です。

自己資本比率に加えて、キャッシュフローや流動比率なんかも安全性を見る上で重要になります。

キャッシュフローについては現金等が主なポイントになり、これについては以下の記事で解説しています。
>> 現金等について

流動比率は、流動資産÷流動負債×100で求められる数値で、短期的な財務安全性を測る指標の1つです。

こういった他のポイントと合わせて、安全性を判断していく必要があります。

高配当株投資での自己資本比率の重要性

高配当株投資にとって、自己資本比率は非常に重要になります。

こびと株.comの「こびと株10条件」の1つとしても、自己資本比率50%以上という条件が掲げられています。

ちくわくん

こびと株の10条件については、以下でまとめているので、そちらもご覧ください。

>> これが正解?『こびと株の10条件』について考えてみる

高配当株投資は、企業が存続しつつけて利益を出し、その利益のおこぼれをもらう投資です。

なので、まずは企業が存続し続けてくれないといけないわけですが、その存続し続けられるのかを予測するのに自己資本比率が重要な指標となります。

自己資本比率は高いほど安心できますが、業種によって低い場合もあります。

なので、そういった場合は業界や他社と比べてどうなのか、なぜ低くなっているのかという理由を理解し、判断していくことが大切になるでしょう。

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この記事を書いた人

サイドFIREを目指して、高配当株を独学で進める「ちくわ」です。
自身で学んだことや銘柄分析など高配当株投資に関わる内容を中心に備忘録も兼ねて発信していきます。

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