【初心者向け】現金等とは?何が含まれるのかと重要性を解説!

【初心者向け】現金等とは?何が含まれるのかと重要性を解説!
疑問に思ってる人

現金等ってよく聞くけど、いまいち理解できていない…

そんなお悩みを解決します。

企業を分析する際に重要になる指標の一つ『現金等』。

現金などのキャッシュの量を見るのはだいたいわかるかと思いますが、「等」の部分には実際どんな項目が含まれているのかご存知ない方も多いでしょう。

そこで今回は、現金等(現金及び現金同等物)について、投資初心者にもわかりやすく解説します。

この記事を読めば、現金等の基本と重要性が理解でき、企業分析のレベルがグッと上がること間違いなしです。

本記事の要点
  • 現金等は「現金及び現金同等物」で、現金と流動性の高い資産を示す
  • 短期的な資金繰りを示し、高いほど不景気などのリスク対応力が高い
  • しかし高すぎる場合は、うまく資金を活用できていない証でもある
  • 高配当株投資では、業績低下時でも配当維持・増配のために必要なので重要
この記事の目次

現金等とは

現金等とは

現金等とは、正しくは「現金及び現金同等物」のことを指します。

簡単に言うと、すぐに使えるお金のことです。

企業の会計において、貸借対照表の「資産の部」の流動資産に区分されます。

トヨタ自動車の2024年貸借対照表資産の部
トヨタ自動車の2024年貸借対照表
ちくわくん

こんな感じで、貸借対照表の流動資産の中でも「現金及び預金」として一番上に書いてあることが多いですね!

現金「等」の部分には、短期間で換金できる流動性の高い「現金と同様の資産」が含まれています。

現金同等物とは

現金同等物とは、換金性が高く、価値が変動するリスクがほとんどない短期投資のことです。

具体的には、以下のものが含まれます。

現金同等物に含まれるもの
  • 定期預金(償還日まで3ヶ月以内のもの)
  • 譲渡性預金(定期預金の一種)
  • 公社債投資信託(MMFなど)※1:
  • コマーシャルペーパー※2
ちくわくん

これらと現金(キャッシュ)を合わせたものが、現金等と言うことです。

※1 短期の公社債やコマーシャルペーパーなどで運用する投資信託
※2コマーシャルペーパーとは、企業が短期資金調達を目的としてはこうする無担保約束手形のことです。
詳しくは、こちらをご参考ください。

有価証券と現金等の違い

有価証券とは、株式や債券などの金融商品のことです。

有価証券のうち、満期が3ヶ月以内のものや、MMFなどの短期投資信託は現金同等物に含まれます。

しかし、株式や長期の債券は、価格変動リスクがあるため、現金同等物には含まれません

ちくわくん

株式は、すぐに現金にできるけど、値段が変わる可能性があるから現金同等物じゃないんですね。

現金等の重要性とは?企業分析のポイントを解説

現金等の重要性とは?企業分析のポイントを解説

現金等が重要になる理由は、この指標が企業の短期的な資金繰りを示すことが挙げられます。

キャッシュが豊富にあれば、一時的に売上が減少したとしても支払いを滞りなく行え、事業の継続ができます。

一方で、キャッシュが少ない場合は、売上低下やちょっとした不景気などによって支払いが困難になり、倒産のリスクが高まります。

したがって、現金等はその企業が不景気や業績悪化に耐えうる力があるのかを判断する材料になり、健全性や安全性の見定めとして非常に重要になるのです。

現金等を見る際の注意点

現金等を見る際の注意点

現金等は高いほど、不景気や業績悪化を乗り越える力があることを示しますが、その一方で不必要な現金等は資金をうまく活用できていない証でもあります。

現金や現金同等物を溜め込むばかりで、成長投資や事業拡大に使わずにいる企業は、売上の成長なども見込みづらいでしょう。

かといって、現金等を過剰に使うと、先ほど言ったリスク対応力が低くなるため、問題となります。

どれくらいあれば安全なのかは企業によって異なりますが、同業他社や業界などと比較するとある程度の目安は見えてくるかもしれません。

高配当株投資における現金等の重要性

高配当株投資における現金等の重要性

先ほど現金等は不景気や業績悪化を乗り越えるために重要であるとお伝えしましたが、高配当株投資にとっても現金等は非常に重要な指標となります。

というのも、不景気や業績悪化に伴い利益が減った際に、これまで通りの配当を出すには企業が保持する資産(主に現金等)から捻出する必要があります。

したがって、業績悪化や不景気などのネガティブな状況でも耐えうるためだけではなく、我ら投資家にしっかりと配当金を出して還元を続けるためにも、この現金等は非常に重要になります。

現金等でわかる!高配当株の安定性・増配力

現金等が豊富な企業は、配当の原資が十分にあるため、安定的に配当を支払える可能性が高くなります。

また、余分なキャッシュを株主に還元するための増配の可能性も期待できます。

反対に、現金等が少ない企業は、減配や無配のリスクが高まるため、安心して投資がしづらいです。

ちくわくん

基本的に現金等が多いと不況時にも生き残ってくれる可能性が高いので、安心できます。

まとめ:現金等を理解して投資判断に役立てよう!

現金等は、企業の安全性や財務状況を把握するための重要な指標です。

現金等の意味や見方を理解することで、より深く企業分析ができるようになり、投資判断に役立てることができます。

特に、高配当株投資においては、現金等の状況を確認することが、安定的な配当収入を得るための重要なポイントとなります。

今後は、企業の決算資料を見る際に、現金等の項目にも注目し、ぜひあなたの投資判断に役立ててください!

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