2026年5月8日に、オリコン(4800)、全国保証(7164)、オカムラ(7994)、NTT(9432)の本決算が発表されました。
今回は4銘柄とも増収基調ですが、中身を見るとかなり個性があります。配当・株主還元の安心感が目立つ銘柄が多い一方で、利益の質やセグメント別の濃淡はしっかり確認したい決算です。
それぞれの決算を、配当重視の個人投資家目線でまとめてチェックしていきます。
特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
- 4銘柄すべて増収。全国保証とNTTは安定感、オカムラはオフィス環境事業、オリコンは高い営業利益率が目立つ
- 配当は全国保証・オカムラ・NTTが増配方向、オリコンは36円維持予想
- 気になる点は、オリコンの純利益減、オカムラの物流システム事業赤字、NTTの総合ICT事業の減益
今回の決算サマリー
まずは4銘柄の本決算をざっくり比較します。
| 銘柄 | コード | 決算期 | 売上高・営業収益YoY | 利益YoY | 年間配当 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オリコン | 4800 | 2026年3月期 | 売上高+28.6% | 営業利益+10.1% | 36円(維持) | ○ |
| 全国保証 | 7164 | 2026年3月期 | 営業収益+3.1% | 経常利益+4.6% | 120円(実質増配) | ◎ |
| オカムラ | 7994 | 2026年3月期 | 売上高+4.6% | 営業利益+0.9% | 104円(+10円) | ○ |
| NTT | 9432 | 2025年度 | 営業収益+5.1% | 営業利益+3.4% | 5.30円(+0.10円) | ◎ |
全体としては、高配当株として見るなら「配当の継続性」と「来期も増配方向か」が確認ポイントです。
全国保証は住宅ローン保証の安定性が継続。NTTは増収増益に加えて自己株買い枠も発表しています。オカムラは主力のオフィス環境事業が好調ですが、物流システム事業の落ち込みが気になります。オリコンは営業利益率が高い一方、のれん減損の影響で純利益は減少しました。
ちくわくん4銘柄まとめて見ると、配当投資家としては全国保証とNTTの安心感が目立ちますね。一方で、オカムラとオリコンも悪い決算ではなく、どこに注目するかで評価が分かれそうです。
オリコン(4800)

オリコンは、ニュース配信・顧客満足度調査・エンタメデータサービスなどを展開する企業です。
2026年3月期は、広告事業を取り込んだ影響もあり増収増益となりました。ただし、営業利益は伸びた一方で、のれん減損などにより純利益は大きく減少しています。
業績ハイライト
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 4,916 | 6,320 | +28.6% |
| 営業利益(百万円) | 1,402 | 1,543 | +10.1% |
| 経常利益(百万円) | 1,400 | 1,601 | +14.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 992 | 625 | △37.0% |
| 売上高営業利益率 | 28.5% | 24.4% | △4.1pt |
売上高は前期比+28.6%と大きく伸びました。広告企画制作を行う新旭の連結寄与もあり、事業規模が一段広がっています。
中核のコミュニケーション事業は、売上高4,287百万円(前期比+8.8%)、セグメント利益2,673百万円(同+11.8%)と堅調です。顧客満足度調査、ニュース配信、PV事業が伸びており、本業の収益性は引き続き高い水準と見ています。
一方で、データサービス事業は売上高692百万円(前期比△0.3%)、セグメント利益259百万円(同△0.7%)と小幅減。広告事業は売上貢献が大きいものの、セグメント利益は78百万円で、今後の利益率改善が注目点です。
配当・注目ポイント
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|
| 年間配当(円) | 36.00 | 36.00 | 36.00 |
| 配当性向 | 47.1% | 73.9% | 44.0% |
配当は年間36円で維持されました。来期も36円予想です。
2026年3月期は純利益が減ったため配当性向が73.9%まで上がっています。ただ、来期は純利益1,050百万円(前期比+67.9%)を見込んでおり、会社予想どおりなら配当性向は44.0%まで下がる計算です。
ちくわの所感
ちくわくんオリコンは営業利益率24%台と、収益性の高さが魅力ですね。ただし純利益のブレと広告事業の利益率は確認したいところです。配当36円を無理なく維持できるか、来期の利益回復を見ていきたいです。
全国保証(7164)

全国保証は、住宅ローン保証を主力とする保証会社です。
2026年3月期は、営業利益こそ小幅減益ですが、経常利益と純利益は増益です。住宅ローン保証事業の安定性に加えて、保証債務残高の積み上がりが確認できる内容でした。
業績ハイライト
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(百万円) | 56,972 | 58,739 | +3.1% |
| 営業利益(百万円) | 41,974 | 41,382 | △1.4% |
| 経常利益(百万円) | 44,518 | 46,554 | +4.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 32,089 | 32,526 | +1.4% |
| 保証債務残高 | 19.4兆円 | 21.4兆円 | +2.0兆円 |
営業収益は前期比+3.1%の587億円、経常利益は+4.6%の465億円です。
補足資料では、保証債務残高が19.4兆円から21.4兆円へ拡大しています。新規保証実行と既存住宅ローン市場からの獲得により、住宅ローン保証を中核とするストック型の事業基盤は引き続き厚くなっています。
2026年3月16日には、通期業績予想と期末配当予想の上方修正も発表済みです。最終的な本決算では、経常利益46,554百万円、純利益32,526百万円で着地しました。
配当・注目ポイント
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|
| 年間配当(円) | 212.00 | 120.00 | 123.00 |
| 配当性向 | 44.8% | 49.2% | 50.0% |
2026年3月期の年間配当は120円です。株式分割を考慮すると、前期212円に対して実質的には240円相当となり、実質増配と見てよい内容です。
補足資料では、配当性向50%を維持し、安定的・継続的な株主還元を実現しつつ、自社株買いは機動的に対応する方針が示されています。2027年3月期は年間123円予想で、引き続き増配方向です。
ちくわの所感
ちくわくん全国保証は派手さよりも安定感の決算ですね。営業利益の小幅減はありますが、保証債務残高が増えていて経常利益も増益。配当性向50%方針もわかりやすく、保有株としては安心して見やすい銘柄だと考えています。
オカムラ(7994)

オカムラは、オフィス家具、商業施設向け什器、物流システムなどを手がける企業です。
2026年3月期は、売上高・営業利益・純利益が過去最高となりました。特にオフィス環境事業が強い一方、物流システム事業が赤字に転落している点は注意が必要です。
業績ハイライト
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 314,527 | 329,031 | +4.6% |
| 営業利益(百万円) | 23,935 | 24,144 | +0.9% |
| 経常利益(百万円) | 26,459 | 25,839 | △2.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 22,045 | 22,416 | +1.7% |
| 売上高営業利益率 | 7.6% | 7.3% | △0.3pt |
全社では増収・営業増益ですが、セグメントごとの差が大きい決算でした。
| セグメント | 売上高(百万円) | 前期比 | セグメント利益(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| オフィス環境事業 | 191,852 | +14.6% | 22,630 | +30.3% |
| 商環境事業 | 116,171 | △1.8% | 2,798 | △41.6% |
| 物流システム事業 | 14,702 | △34.9% | △1,467 | 赤字転落 |
オフィス環境事業は、移転・改装需要や「行きたくなる」オフィスづくりの需要を取り込み、売上・利益ともに過去最高です。
一方、商環境事業は固定費増で減益。物流システム事業は、前期に過去最高売上を記録した反動や設計エンジニアのリソース制約により、売上減と赤字転落になりました。
配当・注目ポイント
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|---|
| 年間配当(円) | 94.00 | 104.00 | 105.00 |
| 配当性向 | 40.4% | 43.9% | 47.1% |
年間配当は94円から104円へ増配です。2027年3月期は105円予想で、増配基調が続く見込みです。
会社側は、中期経営計画2025で「税引後利益の40%以上」の配当性向を掲げており、2026年3月期もその方針に沿った還元となっています。来期は売上高3,470億円、営業利益260億円を見込んでおり、物流システム事業の利益率改善がポイントです。
ちくわの所感
ちくわくんオカムラはオフィス環境事業がかなり強いですね。配当も104円まで増えており、高配当株としての魅力はあります。ただ、物流システム事業の赤字は気になるので、来期にどこまで戻せるかを見たいです。
NTT(9432)

NTTは国内最大級の通信グループです。
2025年度は営業収益、営業利益、当社に帰属する当期利益がそろって増加しました。規模が大きい銘柄なので伸び率は派手ではありませんが、増収増益・増配・自己株買いの3点を確認できた決算です。
業績ハイライト
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(百万円) | 13,704,727 | 14,409,121 | +5.1% |
| 営業利益(百万円) | 1,649,571 | 1,706,221 | +3.4% |
| 税引前利益(百万円) | 1,564,696 | 1,581,923 | +1.1% |
| 当社に帰属する当期利益(百万円) | 1,000,016 | 1,037,032 | +3.7% |
営業収益は14.4兆円、営業利益は1.7兆円です。通信大手としての規模を考えると、安定的な増収増益と見てよさそうです。
セグメント別では、総合ICT事業は営業収益6兆4,581億円と増収でしたが、営業利益は9,421億円で前期比△7.7%です。一方、グローバル・ソリューション事業は営業利益4,882億円(+50.7%)と大きく伸びました。地域通信事業も営業利益3,074億円(+4.0%)と堅調です。
配当・株主還元
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度予想 |
|---|---|---|---|
| 年間配当(円) | 5.20 | 5.30 | 5.40 |
| 配当性向 | 43.5% | 42.0% | 44.6% |
2025年度の年間配当は5.30円で、前年度から0.10円の増配です。2026年度も5.40円予想となっています。
加えて、2026年5月8日の取締役会で、取得総額2,000億円・取得株数14億株を上限とする自己株式取得枠を決議しています。配当だけでなく自己株買いも含めた総合的な株主還元が続いている点は好印象です。
ちくわの所感
ちくわくんNTTは爆発的に伸びるタイプではありませんが、増収増益・増配・自己株買いがそろっているのは安心材料ですね。総合ICT事業の減益は気になりますが、長期保有株としては引き続き還元姿勢を重視して見ていきたいです。
今回の決算から見た保有方針・今後の注目点
今回の4銘柄は、どれも「決算が悪いから即見直し」という内容ではありませんでした。むしろ、配当重視のポートフォリオでは保有継続しやすい銘柄が多かったと感じています。
オリコン(4800)
- 営業利益率は高く、コミュニケーション事業も堅調
- 純利益減と配当性向上昇は一時要因を含むが、来期の利益回復が必要
- 36円配当を安定的に維持できるかを確認したい
全国保証(7164)
- 保証債務残高が21.4兆円まで拡大し、事業基盤は安定
- 配当性向50%方針が明確で、2027年3月期も増配予想
- 住宅ローン市場、与信関連費用、自社株買いの有無を継続確認
オカムラ(7994)
- オフィス環境事業は非常に好調
- 商環境事業と物流システム事業の利益回復が課題
- 2027年3月期から始まる次期中期経営計画の内容に注目
NTT(9432)
- 増収増益、増配、自己株買いで還元面は堅調
- 総合ICT事業の減益と、住信SBIネット銀行連結後の財務バランスは確認したい
- 2026年度は純利益が減益予想のため、利益計画の進捗が注目点
ちくわくん個人的には、全国保証とNTTは「保有継続で見守りやすい」決算でした。オカムラは主力が強い一方で事業別の差、オリコンは高収益だけど純利益のブレを確認したいですね。
まとめ
今回は2026年5月8日に発表されたオリコン・全国保証・オカムラ・NTTの決算をまとめました。
| 銘柄 | 決算評価 | 配当 | 今後の注目点 |
|---|---|---|---|
| オリコン(4800) | ○ 営業増益だが純利益減 | 36円維持 | 来期純利益回復、広告事業の利益率 |
| 全国保証(7164) | ◎ 経常増益・保証債務残高拡大 | 120円、来期123円予想 | 配当性向50%、住宅ローン市場、自社株買い |
| オカムラ(7994) | ○ 過去最高も事業別に濃淡 | 104円、来期105円予想 | 物流システム事業の回復、次期中計 |
| NTT(9432) | ◎ 増収増益・増配・自己株買い | 5.30円、来期5.40円予想 | 総合ICT事業、純利益計画、還元継続 |
決算は短期的な株価材料にもなりますが、高配当株投資では「配当が続く理由」と「利益が下支えされる構造」を確認することが大切です。
今回の4銘柄は、どれも引き続きウォッチする価値がある内容だと考えています。ただし、最終的な投資判断は株価水準やポートフォリオ全体のバランスも含めて、ご自身で確認してください。
私のポートフォリオも公開しているので、よければご参考ください。

