四季報2025年夏号の「ネットキャッシュ倍率ランキング」81社から、投資魅力度の高い25銘柄をピックアップしました。
今回の選定基準は、過去10年減配なし(普通配当ベース)を大前提に、収益力(営業利益率10%以上、ROE8%以上)と財務安定性(自己資本比率50%超)を重視。さらに売上・利益の成長トレンドも加味しています。
配当利回りの閾値は設けていないので、今後の増配余地なども含めて検討できる銘柄たちです。
ぜひ、優良銘柄を見つけるためにご参考ください。
厳選26銘柄の全リスト
手っ取り早く銘柄名を確認したい方向けに、まずは一覧表をご覧ください。
銘柄コード | 銘柄名 |
---|---|
2331 | ALSOK |
3371 | ソフトクリエイトHD |
4097 | 高圧ガス工業 |
4290 | プレステージ・インターナショナル |
4733 | オービックビジネスコンサルタント |
4743 | アイティフォー |
4763 | クリーク・アンド・リバー社 |
4958 | 長谷川香料 |
5273 | 三谷セキサン |
5947 | リンナイ |
6196 | ストライク |
6465 | ホシザキ |
6750 | エレコム |
6824 | 新コスモス電機 |
6834 | 精工技研 |
7483 | ドウシシャ |
7595 | アルゴグラフィックス |
7723 | 愛知時計電機 |
7817 | パラマウントベッドHD |
7949 | 小松ウォール工業 |
7970 | 信越ポリマー |
7984 | コクヨ |
9381 | エーアイテイー |
9790 | 福井コンピュータHD |
9824 | 泉州電業 |
各銘柄の魅力とポイント解説
では、選定した25銘柄について、事業内容と投資魅力を詳しく見ていきましょう。
※財務データや予想配当利回りは、2025年6月26日時点の「IR Bank」情報を参照しています。
ALSOK(2331)- 安心・安全のリーディングカンパニー
全国規模の警備ネットワークを誇る総合セキュリティ企業。警備輸送から施設常駐警備、セキュリティ機器まで幅広く展開しています。
収益面では営業利益率7〜8%と若干物足りませんが、ROEは7.5〜11%と資本効率の良さが光ります。借入金がほぼゼロで自己資本比率60%近くの堅実経営が特徴的。2010年以降の減配実績ゼロに加え、2026年3月期で14期連続増配を予定する配当成長力も魅力です。

現在の利回り2.7%程度なので、市場の混乱時が狙い目かもしれません。
ソフトクリエイトHD(3371)- ITインフラの頼れるパートナー
法人向けITインフラ構築とクラウド運用支援で存在感を発揮。自社開発のセキュリティ製品「L2Blocker」なども手がけています。
注目すべきは営業利益率・ROE共に17%超という驚異的な収益力。無借金で自己資本比率60%近くと、財務体質も申し分ありません。
この3年間で配当金を2.5倍(25円→62円)に拡大した成長性も見逃せません。

利回り2.8%程度の現水準では、こちらも押し目待ちが賢明でしょう。
高圧ガス工業(4097)- 産業ガスの安定成長企業
産業・医療用ガスの製造販売と高圧ガス関連設備のエンジニアリングを両輪とするビジネスモデル。
収益指標は中程度ながら、売上・利益の着実な成長軌道が評価ポイント。自己資本比率60%超の安定財務に加え、配当性向20%台という増配余力の大きさも心強い限りです。2010年以降の減配ゼロ記録も継続中。

現在の利回り3.8%は、人によっては比較的魅力的な水準です。
プレステージ・インターナショナル(4290)- 24時間サービスの革新企業
コールセンターを核としたBPO、自動車アシスタンス、プロパティ管理など、多岐にわたる24時間サービスを提供する特色ある企業。
ROE・営業利益率いずれも10%超の優秀な収益性を誇り、自己資本比率60%台半ばの健全財務も安心材料です。
特筆すべきは2025〜2027年中期経営計画での大胆な配当政策転換。目標配当性向を従来の30%前後から60%へ大幅引き上げ、一気に株主還元を強化する方針です。現在の利回り4.3%も魅力的。

私は、実際に試しで1単元購入してみました。
オービックビジネスコンサルタント(4733)- 「奉行」の圧倒的ブランド力
会計・給与・人事の「奉行」シリーズで絶対的地位を築く基幹業務ソフト専業ベンダー。
営業利益率46%超という驚愕の収益力は、まさにソフトウェア企業の真骨頂。自己資本比率70%台半ばの盤石な財務基盤も相まって、まさに優良企業の見本のような存在です。配当も増加基調で安定感抜群。
唯一のネックは利回り1.25%という低さ。

3%台に乗せるには相当な株価調整と増配が必要そうです。
アイティフォー(4743)- 業種特化型ソリューションの雄
金融機関・自治体向け債権管理システムや小売POSなど、業種に特化したソリューションで差別化を図る技術企業。
ROE・営業利益率共に15%超の高収益体質に加え、自己資本比率80%近くという鉄壁の財務が光ります。配当の安定性も抜群で、投資妙味十分です。
利回り4.14%という水準も十分魅力的。

実は既に保有している銘柄でもあります。
クリーク・アンド・リバー社(4763)- クリエイター業界のエキスパート
クリエイター派遣・紹介に特化した独自のポジション。映像・ゲーム制作受託や医療・IT分野の専門職エージェント事業も展開しています。
営業利益率8%と基準をやや下回りますが、ROE10%台半ば〜20%という資本効率の高さが際立ちます。自己資本比率50%台後半で財務も安定。

2010年以降の減配ゼロ記録と利回り3.07%のバランスも良好です。
長谷川香料(4958)- 香りの世界のパイオニア
香粧品・食品向けフレーバー&フレグランスの研究開発・製造を手がける老舗香料メーカー。
営業利益率10%超の高収益に加え、自己資本比率80%超かつ無借金という超保守的財務が特徴。
ただしROE6%弱とやや物足りない面も。

利回り2.44%の現水準では、市場の大幅調整を待ちたいところです。
三谷セキサン(5273)- コンクリート建材のリーディングカンパニー
コンクリート建材と環境対応コンクリート製品を製造し、土木・建築分野に供給する専門企業。
営業利益率・ROE共に10%超の優れた収益力を発揮。自己資本比率70%近くの健全財務も評価できます。
この3年間で配当金を大幅拡大(44円→141円)したものの、現在の利回りは1.83%に留まります。
リンナイ(5947)- 熱エネルギー機器の国内王者
ガス給湯器・コンロなど熱エネルギー機器で国内トップシェアを誇り、海外展開も積極的に進める老舗メーカー。
2026年度予想で営業利益率10%、ROE8%程度と基準値クリア。自己資本比率60%台半ばの安定経営も安心材料です。
2010年以降の毎年増配記録が光り、予想利回り2.81%も適正水準といえるでしょう。

暴落時が狙い目かもしれませんね。
ストライク(6196)- M&A仲介のスペシャリスト
M&A仲介専業として「SMART」プラットフォームで事業承継・成長支援を提供する新興企業。
ROE・営業利益率共に30%超という驚異的な収益力が最大の魅力。自己資本比率80%の健全財務も申し分ありません。2025年9月期には前期の倍額配当(91円→180円)を予定し、配当性向目安も35%から50%に引き上げ。結果として利回りは4.96%に上昇予定。

期末一括配当なので、6月の今が仕込み時かもしれません。
ホシザキ(6465)- フードサービス機器の総合メーカー
製氷機・業務用冷蔵庫・食洗機などフードサービス機器で圧倒的な存在感を示す業界リーダー。
営業利益率・ROE共に10%超の安定した収益力と、自己資本比率60%台後半の健全財務が特徴。

2010年以降の減配ゼロ記録は継続中ですが、予想利回り2.07%はやや物足りない水準です。
エレコム(6750)- デジタル周辺機器の企画・販売企業
PC・スマホ周辺機器からネットワーク機器、ゲーミングデバイスまで幅広く企画・販売する総合周辺機器企業。
営業利益率・ROE共に10%超の高収益体質に加え、自己資本比率70%超の鉄壁財務が光ります。
17期連続増配予定という株主還元姿勢も評価でき、利回り2.85%がもう少し増えれば妙味が増します。
以前「気になっている銘柄」でも紹介した注目株です!
新コスモス電機(6824)- ガス警報器の専業メーカー
ガス警報器とセンサ技術で家庭用から産業用まで幅広くカバーする専業メーカー。
営業利益率10%の高収益ながら、ROE7%とやや基準を下回ります。
一方で自己資本比率70%の安定財務と2010年以降の減配ゼロ記録は評価材料。

現在の利回り2.67%なので、暴落時に検討したい銘柄です。
精工技研(6834)- 精密技術のスペシャリスト
光コネクタ研磨装置や半導体関連精密金型を製造し、光通信部品のグローバル供給も手がける技術企業。
予想ROE9%、営業利益率14%弱の良好な収益性に加え、自己資本比率80%超の超安定財務が魅力。
赤字時でも配当維持する株主重視姿勢は評価できますが、現在の予想利回り1.39%は低水準です。
ドウシシャ(7483)- 生活密着型の商社兼メーカー
生活家電・食品など自社企画商品の製造卸とブランド商品流通を担う商社兼メーカー。
営業利益率8%前後、ROE7%台半ばと基準をやや下回りますが、自己資本比率86%近くという超保守的財務が際立ちます。

2010年以降の減配ゼロ記録と予想利回り4.11%の組み合わせは魅力的です。
アルゴグラフィックス(7595)- エンジニアリングITのプロフェッショナル
CAD/CAM・PLMシステム導入支援とHPCソリューションを提供するエンジニアリングIT企業。
ROE・営業利益率共に10%超の優秀な収益性と、自己資本比率60%台半ばの健全財務が評価ポイント。

2026年3月期の大幅増配予定(110円→160円)により、利回りは3.07%に上昇見込みです。
愛知時計電機(7723)- 計測機器の老舗メーカー
ガスメーター・水道メーターなど流体計測機器を手がける1898年創業の老舗企業。
営業利益率・ROE共に8%前後と基準ギリギリながら、自己資本比率70%台半ばの安定財務が安心材料。配当性向30%前後という増配余力も今後に期待が持てます。

先日、単元未満で少額投資してみました。
パラマウントベッドHD(7817)- 医療・介護ベッドの専門企業
医療・介護用ベッドやマットレスを製造販売するパラマウントグループの持株会社。
営業利益率12%の高収益とROE7%の資本効率、自己資本比率70%台半ばの健全財務がバランス良く揃っています。
2026年3月期の大幅増配(97円→125円)により利回り4.92%に上昇予定。

こちらも、既に保有している銘柄です。
小松ウォール工業(7949)- 可動間仕切のパイオニア
スチール・アルミ可動間仕切(パーティション)を中心とした建築内装システム開発企業。
営業利益率9%弱、ROE8%弱と基準をやや下回りますが、自己資本比率80%超の超安定財務が特徴。
2026年3月期の前期倍増配当(65円→130円)により、予想利回りは5.8%という高水準に達する見込みです。
信越ポリマー(7970)- 高機能素材のエキスパート
プラスチック・シリコーン加工技術を核に、電子部品や半導体関連資材など高機能素材を幅広く提供。
営業利益率12%、ROE8%弱の良好な収益性と自己資本比率80%の鉄壁財務を両立。
7期連続増配中の安定株主還元により、現在の利回りは3.01%です(2026年3月期予想配当は未定)。
コクヨ(7984)- オフィス・ステーショナリーの代名詞
ノート・文具からオフィス家具まで、幅広いワークスタイル製品で親しまれる老舗企業。
ROE7.6%、営業利益率6.5%とやや物足りない面がありますが、自己資本比率70%の安定財務は評価できます。

現在の利回りは1.7%程度に留まります。
エーアイテイー(9381)- アジア物流のスペシャリスト
アジア発着の海上混載輸送を主軸とする国際フォワーダー。物流コンサルティングも手がけています。
営業利益率7%程度ながら、ROE15%超の高い資本効率が光ります。自己資本比率70%台半ばかつ無借金の超健全財務も魅力。
2010年以降の普通配当減配ゼロ記録と利回り5.17%の高さが注目ポイント。

既に保有している銘柄でもあります。
福井コンピュータHD(9790)- 建設CAD/BIMソフトの独立系企業
建設・測量向けCAD/BIMソフトを開発する独立系ソフトメーカーの持株会社。
営業利益率40%超、ROE15%超という驚異的な収益力と、自己資本比率80%超の鉄壁財務が際立ちます。
2010年以降の減配ゼロ記録。

利回り2.42%と低めなので、暴落を待ちたいですね。
泉州電業(9824)- 電線・ケーブルの技術商社
電線・ケーブルを核にFA、通信、電力分野への製品販売・加工・システム提案を行う技術商社。
営業利益率8%弱とやや物足りませんが、ROE13%超の高い資本効率が魅力。
自己資本比率49%と基準をわずかに下回るものの、有利子負債比率0.77%の低さで財務は健全。

この3年間の大幅増配(45円→130円)により、現在の利回りは3.58%に達しています。
まとめ:四季報は宝の山、じっくり研究して投資機会を狙え
今回紹介した26銘柄はいずれも財務健全性と配当安定性を兼ね備えた優良企業ばかりです。
まだ詳細な企業分析は途上ですが、今後しっかりと研究を深め、市場の調整局面などで絶好の投資機会を捉えたいと考えています。
この記事が皆様の投資判断の一助となり、素晴らしい銘柄との出会いにつながれば幸いです。

ぜひ、四季報のオリジナルも読んでみてください↓
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