私がいつも勉強させてもらっているブログ『こびと株.com』さん。
そこで紹介されている「こびと株の10条件」があるので、今回はそれについて見ていきたいと思います。
今回の記事は、「こびと株の10条件」で紹介されている10個の条件を参考にしています。
こびと株の10条件とは
こびと株.comで紹介されている10個の条件は以下の通りです。
- 配当利回り3.75%以上(税引前)
- PBRが高水準ではない
- 配当政策が分かりやすく、配当実績に納得できる
- 配当継続力が高い
- 売上高が長期的に上昇傾向
- 営業利益率が10%以上
- 1株あたり純利益及び1株あたり純資産が長期的に上昇傾向
- 自己資本比率50%以上
- 流動比率200%以上
- 総資産に占める現金等の割合が高く、長期的に上昇傾向
配当利回りを始め、財務の安全性や利益率などの収益性、長期的な成長性などかなりバランス良い観点で見られているのがわかります。
この条件は究極的な目標として掲げられている「元本割れのリスクを抑えつつ、長期にわたり安定・高配当」を達成するための具体的な項目となっているようです。
では、それぞれの条件について、具体的に見ていき、ちくわストックの投資対象の判断材料として役立てれそうかを検討していきたいと思います。
条件1:配当利回り3.75%以上(税引前)
この条件のポイントとしては、税引後3%の利回りが達成でき、その場合は約33年で元本を回収できるということです。
この点に関しては、文句のつけどころはないでしょう。
実際、高配当株として扱われるボーダーとしてもよく使われる数値かと思います。
個人的にはもう少し欲しいところではありますが、最低ラインとしてであれば十分かと思います。高配当株投資をするなら一番大事であり、前提条件にもなるかと思うので、採用しない選択肢はなさそうですね。
条件2:PBRが高水準ではない
この条件のポイントとしては、過度な期待が株価に織り込まれており、元本割のリスクを背負うことにならないかを確認するための指標ということです。目安としては0.5〜1.5倍あたりと記載されています。
ただ、ずっと保有する前提であれば、そこまで気にする必要はない指標とも書かれているので、個人的には条件というよりも買い時のタイミングを見るときに使おうかなという感じです。
PBRは割安の判断指標の1つでもありますしね。
条件3:配当政策が分かりやすく、配当実績に納得できる
高配当株投資をする上で、企業の配当姿勢や実績は非常に大事です。これは、それを確認するための条件ですね。
具体的にどういった内容かについては触れられていませんが、個人的には
- 累進配当は採用しているか
- 配当性向や還元率などの基準があるか
- その基準を達成しているか
といった観点で見るべきかなと考えています。
口だけではなんとでも言えるので、掲げている配当政策を遵守しているのかは特に注視してみていきたいなと思いますね。
条件4:配当継続力が高い
これは、個人的に初めて見た条件で、かなり参考にしたいなと思える条件です。
具体的には、以下の指標を持って評価することが可能です。
指標①:調整後利益剰余金÷配当総額
※調整後利益剰余金(期末利益剰余金-期末配当額)を原資として、最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。会計理論に基づく配当可能年数です。
指標②:修正ネットキャッシュ÷配当総額
※期末の修正ネットキャッシュ(現預金+有価証券+投資有価証券-有利子負債-期末配当額)を原資として、最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続することができるかを見ている指標です。指標①よりも現実的な配当可能年数と言えます。
(引用元:こびと株.com)
評価する際の具体的な年数は明記されていませんでしたが、どちらかというと②の方を重視した方が良いかなと思ってます。というのも、②の場合はより現実的な配当可能年数を示しているからです。
これの判断基準を作るためにも、いろいろな銘柄のデータを見て判断基準を培っていきたいなと思います。
優良高配当株と言われる銘柄のデータを調べないとですね!
条件5:売上高が長期的に上昇傾向
これは、すべての源泉である売上が長期的に上昇しているかどうかを判断するための項目です。
上昇率は特に問わずに傾向として増えてきているかどうかを重視しているようです。
これは非常に大事かと私も思いますが、これ単体ではそこまで意味をなし得ない指標かとも思っています。(もちろん右肩上がりなのは重要ですが…)
売上に関しては、次の条件(営業利益率)と合わせてみる必要があるのではと考えています。なぜなら、売上がある程度横ばいでも利益率が上がっていれば、その企業の収益は改善されていると言えるからです。
条件6:営業利益率が10%以上
営業利益は、その会社の稼ぐ力を測る指標になります。こびと株.comでは、「利益率が10%を超える場合は、市場において優位性がある可能性が高い」とされています。
これはまさにその通りで、高ければ高いほど良いのは間違いなく、長期的に安定して配当をもらうには見逃せないポイントでしょう。
ただ一方で、利益率が低い業種ももちろんあるので、一概に10%以上を適用するのは危ないなとも思います。
10%を目安として、あくまで競合他社や業界全体よりも高いのかどうかを見ることも非常に重要かと思います。
条件7:1株あたり純利益及び1株あたり純資産が長期的に上昇傾向
これは、配当の源泉ともなる1株あたり純利益(EPS)と1株あたり純資産(BPS)に関する条件です。
これら2つの指標が長期的に上昇傾向であるということは、安定して高い配当をもらうためには欠かせません。
どれくらいあれば良いのかという基準はないかと思うので、あくまで上昇トレンドとなっているのかを見れば良さそうですね。
条件8:自己資本比率50%以上
自己資本比率は、その企業の財務健全性を表す指標の1つです。高いほど安全性は高いとされ、こびと株.comでは1つの目安として50%以上と設定されています。
ただし、これはあくまで目安であり、自己資本比率は業種によってかなりブレがあります。
例えば、『令和5年 中小企業実態基本調査』では、業種別の自己資本比率は以下のようになっています。
業種 | 自己資本比率 |
---|---|
建設業 | 45.4% |
製造業 | 44.9% |
情報通信業 | 52.8% |
運輸業、郵便業 | 34% |
卸売業 | 40% |
小売業 | 34.5% |
不動産業、物品貸借業 | 35.5% |
宿泊業・飲食サービス業 | 15.9% |
生活関連サービス | 32.8% |
サービス業(ほかに分類されないもの) | 46.4% |
ご覧のように、業種による平均値のブレが大きいことがわかるかと思います。高いものだと53%弱ありますが、低いものだと16%以下となっています。
なので、低いと思われるような場合でも、これも競合他社や業界全体と比較してどうなのかをみることが大事かと思います。
条件9:流動比率200%以上
これも財務健全性を確認するための条件です。
これも非常に重要そうだなと思います。
もしこれが100%だとしたら、今持っている流動資産と負債が同額を意味します。そうなると、資金繰りが苦しくなることは想像しやすいです。
借金が100万円あって、すぐに使える現金も100万円しかないことになりますからね。
なので、この比率も高いほど良いのは間違いなく、これをみることで直近の財務健全性はある程度測れそうですね。
条件10:総資産に占める現金等の割合が高く、長期的に上昇傾向
最後の条件としては、現金等(キャッシュ)の多さとそのトレンドです。
現金があれば、
・安定的な配当が可能
・不況時も耐えうる防御力
・必要な際に事業投資ができる
といったことが実現できるため、高配当株投資において現金の項目はかなり重要な指標となります。
どれくらいの割合があれば良いのかについては特に示されておらず、企業や業界によるところかと思います。なので、その辺りも、経験や知見を元に判断していくしかなさそうです。
業界の平均値や優良企業の割合を調べてみても良いかもしれませんね
まとめ:こびと株の10条件はかなり優秀
今回は、こびと株.comさんで紹介されている「こびと株の10条件」について、参考になる点はないかと見ていきました。
個人的にいくつか既に取り入れていた項目もありましたが、『配当継続力』は初めて聞いた指標でもあり、かなり参考になるなと感じました。
とはいえ、これら10つだけでは、まだまだ投資の判断ができるわけではないかと思うので、これからもいろんな方の指標を参考に、自分なりの指標を作り上げていきたいと思います。
『配当継続力』は、ぜひ自分の1指標としても取り入れていきたいですね。
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